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研究科長から
地域に奉仕し、地域に根差した法曹の養成
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岡山大学法科大学院は、「地域に奉仕し、地域に根差した法曹養成」を理念に掲げ、これまで人権感覚豊かな多くの法律家を輩出してきました。そして、厳しい社会環境の中で、十分なリーガルサービスを享受できない社会的弱者に対し、司法の側面から支援の手を差しのべてきました。法科大学院制度がスタートして丸8年が経ち、岡大法科大学院は中四国地区における法曹養成の拠点としての地位を固めつつあります。
本研究科の教育の特色は次の2 点に集約されるでしょう。第1 に研究者教員と実務家教員との綿密な連携が挙げられます。法実務において理論と実務は両輪の関係にあります。しっかりとした理論的裏づけのある法実務活動こそ、複雑かつ深刻な法的紛争を適切に解決できる唯一の方法といえます。そのため本研究科では、早くから研究者教員と実務家教員が協働して授業で使用する教材の開発を行い、それを日々の授業の中で活用しています。理論と実務を架橋する教育を実践するため、両者による「協働教育体制」を確立しています。 | ![]() |
第2に専門家ネットワーク及び大学内に附設された法律事務所を背景にした実務教育の充実が挙げられます。現代の法的紛争は、法律家のみで解決できるほど単純なものではありません。民事・刑事事件に大別できる法的紛争も、そのカラクリを探ってみると意外に複雑な構造を持ち、法律家だけでなく、その他の専門家が互いに知識を結集して問題解決にあたらなければならないものも多いのです。そうした複雑な法的紛争に対する適切な解決能力を習得できるよう、本研究科では、医師、会計士、社会福祉士など様々な専門家の協力を得ながら行う授業があります。また、法科大学院構内に附設された法律事務所は、国立大学法科大学院の中では極めてユニークな存在で、法律問題に悩む市民と法科大学院学生とをつなぐ橋渡しの役割を担っています。学生は、授業で学んだ法理論や実務の基礎知識が現実の弁護活動にどのように活かされているか、附設法律事務所で勤務する弁護士の活動ぶりを実際に見聞きすることによって、つぶさに体験できるのです。専門家ネットワーク、附設法律事務所をバックに持つ教育システムは、他に類のない本研究科の特色といえるでしょう。
プロの法律家になるのは決して楽なことではありません。日々の授業は厳しく、時として最初の志がぐらつくこともあるでしょう。私は岡山大学法科大学院への入学を希望する皆さんにもう一度、胸に手を当てて考えて欲しいことがあります。それは、自分がなぜ法律家を目指しているのか、ということです。「法律家になれればよいなぁ。」というのでは単なる願望に過ぎません。「法律家になりたいなぁ。」というのもまだ希望に過ぎません。「どんなに厳しくても、絶対に法律家になってやるんだ。」という強い気持ちを持ってこそ、初めて胸を張って法律家を「志望」したといえるのではありませんか。
岡山大学法科大学院は、気鋭の教員と恵まれた学習環境を擁しています。そして、真に法律家になりたいと強く「志望」する学生の入学を待っています。我々凡人は、「目標は高く努力は着実に」というあたり前のことを実践していくほかありません。本研究科の専任スタッフの平均年齢は全国的にみても若く、法曹養成に対する教育力はどこにも負けないという自信があります。長い年月にわたって法曹輩出の実績を挙げてきた岡山大学法学部の伝統を引き継ぎ、岡山大学法科大学院もまた、教員、学生が共に手を携え、全力を傾注して、優れた法律家を育成するために邁進したいと考えています。熱意溢れる皆さんの入学を心待ちにしています。
法務研究科 研究科長 上田 信太郎



